大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和35年(あ)2907号 判決

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人白木伸の上告趣意第一点について。

所論は単なる法令違反の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。なお、所論にいわゆる本件鞣皮がカモシカの解体後多少の加工を施したものであっても、カモシカの生皮と殆ど類似の形態を保持する以上、カモシカの毛皮と認むべきであって、改正前の狩猟法二〇条にいわゆる捕獲した鳥獣に該当するものとした原判決の判断は正当である。この理由を以て右に反する所論第三点摘記の大阪高等裁判所の判例には同し難い。

同第二点について。

所論判例は本事案と内容を異にし、本事案に適切のものとは認め難いから所論は前提を欠き、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

同第三点について。

所論の採用し難いことは前段説示によって明らかであろう。

よって、刑訴四一四条、三九六条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 下飯坂潤夫 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 入江俊郎 裁判官 高木常七)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例